原状回復工事で開業する際に独立支援を受けるメリット・デメリット
公開日:2023/04/15 最終更新日:2023/03/17
原状回復工事とは、賃貸住居などで入居者が入れ替わる際に部屋の清掃やメンテナンス・修繕を行う工事のことです。退出時に原状回復工事をすることで元のきれいな状態に戻し、次に入居する人を気持ちよく迎えられるようにします。実は、原状回復工事をメインとしての開業が可能です。その際に独立支援を受けるメリットとデメリットを解説します。
原状回復工事の独立支援とは?
「原状回復工事の独立支援」と聞くと奇妙な気もしますが、簡単に言えば原状回復工事をメイン業務として開業する際に受けられる独立支援のことを指します。原状回復工事を請け負う職人が不足していることもあり、清掃会社などが職人を育成する目的で独立支援をしています。
ハウスクリーニングとは違う?
原状回復は物件を入居前の状況に戻す作業、ハウスクリーニングは専門業者が物件を清掃することです。そのため、両者は目的が全く異なります。原状回復工事は経年劣化した室内の損傷を修復する作業もあるため、物件によって作業内容がかなり左右される仕事です。
フランチャイズではない?
一見フランチャイズと間違えそうですが、独立支援はフランチャイズ契約とは異なります。フランチャイズ契約では多額の加盟金を徴収することもありますが、独立支援を受けた場合は加盟金の徴収や紹介手数料を取られることはありません。あくまで育成を目的としているため、フランチャイズのように利益のための契約ではないと考えた方がよいでしょう。
独立支援を受けるメリット
独立後は営業活動・費用回収などの面倒な業務を行う必要がありません。そのため、職人としての仕事に集中できるようになります。スキルがアップすると業務量が増えるため、収益アップも期待できます。
独立後の仕事探しが楽
支援を受けずに独立すると仕事を請け負うまでかなり手間と時間がかかりますが、独立支援を受けて専属職人として契約すれば仕事に困りません。本部が仕事を発注してくれるため、仕事がないことに不安や焦りを感じなくてもよい点がメリットです。
売上保証がある
なかなか売り上げが伸びなくても、売上保証があるため安心です。本部にもよりますが、最初の2年間は月額の最低売上を保証する会社もあります。例えば標準売り上げ予想を1人35万から60万円として、売り上げがそこまで伸びなくても最初の2年間だけは保証してくれるということです。そもそも原状回復工事の依頼は本部がするため、独立直後に赤字になったとしても独立側の責任ではなく保証があるのは当然ともいえるかもしれませんが、売り上げが伸びない事態を想像すればあると安心できる保証です。
希望によっては正社員雇用も可能
独立支援ではありますが、希望すれば正社員雇用も可能となっています。本部からすると職人を育成することが目的のため、独立しても雇用してもあまり大きな影響はないでしょう。支援を受けた人からすると、正社員になることで安定した収入を得られます。「独立までは考えていないが、手に職を付けたい」と考えているのであれば、正社員雇用を視野に入れたうえでの支援を受けるとよいでしょう。
独立支援を受けるデメリット
原状回復工事の開業に限らず、独立支援を受けるデメリットには「経営方針の自由度の低さ」「独立まで時間がかかる」ことが挙げられます。裏を返せばメリットにもなりえますが、自分の技量で経営したい方や、すぐに独立して仕事を始めたい方にとってはデメリットとなるでしょう。
経営方針の自由度の低さ
本部より仕事を依頼されるのは大きなメリットでもありますが、それゆえに仕入れ先や営業時間だけでなく、経営方針なども決められることが多いです。経営方針などに特にこだわりがなく「仕事ができれば十分」と考えている場合はそれでよいかもしれませんが、自分のやり方で経営をしたい、仕事をしたいと思っている人にとっては大きなストレスとなるでしょう。
独立まで時間がかかる
独立支援を受ける場合、本部で一定期間社員として勤務する必要があるため、フランチャイズのように「資金があればすぐに開業できる」わけではありません。資金があってもすぐに開業できないため、独立まで時間がかかります。資金がない人であれば働きながらスキルを磨けるうえに、お金を貯められることはメリットでしかないかもしれません。しかし、資金があって「すぐに開業したい」と考えている人にとっては、本部で働いている時間がもったいなく感じることでしょう。
まとめ
原状回復工事の職人として開業する際に、独立支援を受けるメリットとデメリットについて解説しました。原状回復工事は景気に左右されず一定の需要があるため、個人で独立開業をしても依頼先を確保すれば安定して利益を上げられるでしょう。開業には個人でいきなり独立するか、フランチャイズもしくは独立支援を受ける方法があります。それぞれデメリットが異なるため、開業に失敗したくない方は自分にとってメリットがどれだけあるか、どのような点がデメリットになるのかを見極めたうえで検討しましょう。