原状回復工事の現場に協力会社がいるとメリットが多い?
最終更新日:2023/06/14
原状回復工事をする際、協力会社と一緒に施工することで色々なメリットがあります。その理由は協力会社がもつ専門的な知識やスキルを現場で生かせ、工事の品質向上や工期短縮、事業の拡大が図れるからです。今回は原状回復工事の内容や協力会社の定義、協力会社と施工することのメリットなどについてまとめます。
原状回復工事とは
国土交通省は民間賃貸住宅を想定した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しています。それによると、原状回復は「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」定義しています。
もう少しわかりやすく言えば、原状回復とは、入居前の状況に戻すことであり、入居者の負担で修復が必要なのは、入居者の故意や過失などによって建物に損害を与えた場合や、その箇所に限られます。
経年変化や通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとしています。原状回復工事をしっかり行うことで、物件の持ち主は入居率の向上や退去率の低下といったメリットが得られます。
原状回復工事の内容
主な施工内容は以下のとおりです。
・ハウスクリーニング
・キッチンの流し台交換や壁紙、タイル、パネルの張替え
・トイレの壁紙・便器の交換
・ユニットバスやシャワーヘッド、ホースの交換
・リビングの壁紙はりかえ、壁穴の補修、床の張替え、天井の塗装
・玄関の壁紙はりかえ
・鍵交換
・水道工事
・備え付け家具などの修理・補修
このように、原状回復工事の内容は多岐にわたります。ちなみに、原状回復工事の期間は入居者の退去後、2週間から1カ月程度です。工事の内容によってはもっと多くの日数がかかるかもしれません。
協力会社とは
ここまで見てきたように、原状回復工事の内容は多岐にわたっているため、自社だけですべて行うことは不可能です。そこで必要となるのが協力会社のサポートです。協力会社は英語では「business partner(BP)」と表記されます。その名の通り、業務をする上で協力関係にある事業者のことです。
協力会社が求められるのは専門分野のサポートです。たとえば、水道工事は水回りの専門業者に、各部屋の壁紙は壁紙やクロスのはりかえ業者に、クリーニングであれば清掃業者にといったように、おのおのの専門分野で原状回復工事に協力します。
効率アップにつながる!
1つ目のメリットは工事の効率アップにつながることです。協力会社はそれぞれの分野の専門業者です。協力会社は業務に必要な専門的な技術や知識を持っているため、高い品質の仕事を期待できます。
たとえば、水道工事の専門知識を持つ協力会社であれば、配管に関する専門知識や技術があり、作業に必要な道具や材料も調達しやすいため、作業スピードを早められます。こうした専門業者が複数組み合わさることで、短い期間で原状回復工事を進められます。
事業拡大を狙える
2つ目のメリットは事業拡大を狙えることです。専門的な知識や技能を持つ協力会社と共に施工すると、今まで請け負うことができなかった業務も積極的に受注できます。自社がフローリングの張替えやクロスの張替えに強みを持つ会社であれば、水道工事や電気工事の協力会社と一緒に施工することで、より大きな現場でも対応できるようになります。
加えて、事業のリスク軽減にもつながります。自社が不得手な部分を専門の協力会社にゆだね、それぞれが得意な分野を担当することで工事の品質を向上させられるからです。
施工品質や業務に安定感が出る
3つ目のメリットは施工品質や業務に安定感が出ることです。協力会社は各分野の専門スキルを持っている事業者ですので、高い施工品質が期待できます。高品質の工事ができるのは専門業者である協力会社には高いスキルを持った人材がいたり、専門分野の技術継承が行われ、ノウハウが蓄積されているからです。
また、仕事の役割分担が明確になるため、各分野の専門家が、それぞれの作業に集中しやすくなります。さらに、仕事が増えたときの人手不足や閑散期の仕事の減少といった業務の波にも対応しやすくなります。人手不足のときは協力会社に応援を頼めます。余剰人員を抱えずに済むため、コスト面でも経営が安定します。
協力会社と良好な関係を築くために意識すること
協力会社のサポートを得られると、自社の効率アップや事業の拡大、品質安定といった多数のメリットがあるとわかりました。
しかし、自社の都合や利益だけを優先し、協力会社に仕事を押し付けてばかりいると、関係が悪化してしまいます。依頼する会社と協力会社の間には上下関係はありませんので、相手の立場を考えて仕事を進めなければなりません。互いに相手に配慮する姿勢こそが、良好な関係の基礎となります。
まとめ
今回は原状回復工事の現場に協力会社がいることでどのようなメリットがあるかについてまとめました。自社の事業を大きく拡大させるためには専門知識を持つ協力会社との協業が必須です。各分野の専門業者と一緒に施工することで工事の品質を向上させ、顧客の信頼を獲得しやすくなるでしょう。